なにか物事を決める時に、
- どれもメリットとデメリットがあって、何を選べばよいかわからない
- 人によって意見が違うが、何がベストなのだろうか?
- 失敗して、時間やお金をムダにしたくない・・・
- 実績や再現性があるものじゃないと信用できない
このような思考に陥って、身動きが取れなくなる方も多いのではないでしょうか?
特に現代は情報が多く複雑化していますし、働き方やライフスタイル・価値観なども多様化しています
そのため、過去の経験や成功体験から答えを見出すのは困難となってきています
このような身動きが取れない状態を解消するためには、私たちが長らく頼りにしてきた『正解思考』を捨てる必要があります
この考え方は、今の時代を生き抜くために必要なスキルですし、自分自身をアップデートしていく『リスキリング』を進める上でも非常に重要となってきます
私はもともと優柔不断な性格で、正解思考に囚われて決断できないということも多かったです
ですが、正解思考を捨てるように意識してからは、気持ちが楽になり、以前よりも物事が早く進むのを感じます
今回は、この正解思考とはどんなもので、なぜ捨てるべきか、について解説していきます
執筆者情報
ときすけ
- 30代会社員 & 副業ブロガー & 二児の父
- 工場勤務からリスキリングした経験有り
- ゼロからリスキリングを学べる情報を発信
- Microsoft365系アプリ、生成系AIが得意
- 社内のDX人材育成に従事
正解思考とは?
正解思考とは、
「世の中には必ず正解がある」と思い込んでしまう思考や行動のクセ
のようなものです
もちろん、正解を探そうとすること自体は悪いことでは有りません
しかし、他力本願的に「世の中にはきっと正解がどこかにあるはず!」と思ってしまうのは危険な考え方です
必ずしもすべてのことに正解があるわけではありません
最近のSNSや各種メディア、広告などでは
- 〇〇と言えば△△!
- 〇〇こそが勝ち組
- 〇〇をマネするだけでOK
- 〇〇こそが最強
のような情報が多く出回っています
セールストークとして効果があるというのはありますが、
「こうじゃなきゃいけない」「こうあるべきだ」
というような文脈でものごとを考えすぎではないでしょうか?
そもそも他人と自分は全然違う生き物です
性別、年齢、職業、出身地、価値観、スキル、環境、趣味、嗜好、など、全く同じ人は存在しません
100人いれば100通りの正解が存在するべきです
確かに思考停止のほうが楽ですし、失敗をしたくないですから
- 言われた通り
- 決められた通り
- テンプレート通り
に頼りたくなるのはわかります
しかし、AIなどのテクノロジーの発達で劇的に変化している今の時代は、自分で考えて答えを見つける力にこそ価値があります
一昔前までは正解思考でも通用しましたが、今は正解思考に縛られるデメリットのほうが大くなってきています
なぜ正解思考が刷り込まれているのか?
それでは、私たちににはなぜ正解思考がインストールされているのでしょうか?
その理由について私なりの考えを述べていきます
日本の教育
正解思考が刷り込まれている要因の一つが日本の教育です
私たちは小さい頃からどの問題にも模範解答が用意されていて、それ以外は受け入れられないような環境で育ってきました
問題を解くプロセスでさえも細かな指定があり、模範解答に近いことが評価されます
子供の独自の発想や意見というものにはあまり見向きもされず、むしろ排除される対象です
私が中学生の頃の話です
作品名は忘れましたが、国語の授業で女の子が電車の中で何回か席を譲った後に、何らかの気持ちの変化が有って席を譲らなくなってしまったという話がありました
先生は生徒たちにこのとき女の子はなぜ譲らなかったか考えてみてくださいと問いかけました
普通であれば文中に書かれていることをヒントに推測して回答をするところですが、自分は教科書にない事情を想像して「足が痛くなったのでは?」と回答しました
するとその先生は、真面目に答えろと言わんばかりに冷たくあしらってきました
私としては真面目に考えて回答したつもりなのに、否定されて嫌な気持ちになったのをよく覚えています
例としては適切でなかったかもしれませんが、突拍子のないことや、多少間違っていたとしても、一旦は受け入れて尊重されるべきと思います
このような教育を受けてきた私たちは、
- 正解は教科書のどこかにある
- 正解は1つだけでそれ以外を考える意味はない
という思考に陥ってしまうのです
これでは、自分で考える力も育ちませんし、未知の問題に直面した時にどうして良いかわからなくなります
このような日本の教育環境が正解思考が刷り込まれている要因の1つと考えられます
レールの敷かれた人生
個人的な見解ですが、多くの日本人には人生のレールが敷かれていて、それに沿って生きていかなくてはならないという固定観念があるような気がします
もちろん完全にレールの上を歩いているわけではなく、受験、就職、結婚、など人生には様々な分岐点があります
ですが一度分岐点を超えると、それ以降は基本的にレール沿って生きなくてはならず、なかなか再起を許してくれません
特に
- 学歴主義
- 新卒至上主義
- 年功序列
- 終身雇用
といった日本に古くからある雇用システムが悪さをしているように思えてなりません
受験や就活のようなたった一度のイベントで人生が決まってしまうようなきらいがあります
現在の私たちはこのようなシステムを前に、不満はありつつも受け入れるしかないか、当たり前になって何の疑問も抱かないようになってしまっているのでしょう
自分で考えずにただ敷かれたレールの上を歩くだけという思考停止状態が、正解思考を引き起こしていると思います
規則やルールに縛られている
規則やルールに縛られていることも正解思考を植え付ける要因です
学校や会社などの組織にいると、必ず規則やルールが存在します
それは規律を乱さないため、効率よく運用するために先人たちが作ったものですので、その存在自体はあって然るべきですが、今の時代や環境に合わず陳腐化していることもよくあります
- 今までそうしてきたから
- 他の人もそうやってるから
- ルールを守ることが正しいことだ
という風に何も疑いもせず、盲目的にルールを遵守しているだけになっていないでしょうか?
このような規則やルールを重んじる環境に長くいると、自分で考えることをしなくなり、正解思考がインストールされていきます
正解思考を捨てるべき3つの理由
理由①:今の時代は正解思考が通じない
これまでも書いてきた通り正解思考は今の時代では通用しなくなってきています
一昔前までは日本企業は豊かで、終身雇用や年功序列のような雇用システムが成り立っていました
そのような枠組みの中で働く私たちは、正解思考のような考え方でも決められたことをやっていれば、安定的な生活が送れました
しかし、現在はこのような状況が崩壊しつつあります
今はVUCA時代と言われ、不確実で先の見えない時代です
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
の頭文字を取った言葉で、「目まぐるしく変化し、予測困難な状態」を意味します
VUCA時代では、今までの常識が簡単にくつがえったり、新しく生まれたものがものすごい勢いで覇権を握ったりします
このような時代においては、正解思考のような現在や過去の世の中の常識から答えを導き出す方法は、もはや意味を成さなくなってきています
理由②:正解思考を捨てれば物事が進む
正解思考に囚われると、失敗やリスクを恐れて石橋を叩いて渡るように入念な計画を立てたり、調査をしたりします
しかし、今の時代正解が分からないことのほうが多いのですから、時間がかかるだけで結果的に的を射ない結論になることも多いです
また、時間をかけているうちに状況が変化し、計画を練り直さなければならないといった悪循環に陥ることもあります
しかし、正解思考を捨ててみると、物事が進むことがあります
正解思考を捨てるということは、周りの情報に頼らずに自分で試して答えを見つけるということです
さっさと片っ端から試してみて、
- 結果どうなったか?
- 自分はどう感じたか?
というフィードバックを素直に受け取り、それで判断したほうが、結果的にあれこれ考えている時間よりも早く解決する場合も多いです
また、現在は情報過多であり、インターネット上ではたくさんの情報が飛び交っています
もはや何が正しくて、何が間違っているのか分かりません
いちいち情報ソースを探したり、信憑性を確認したりするのはとても骨が折れる作業です
『百聞は一見にしかず』と言いますが、他人から聞いた情報や体験談よりも、自分で実際に試したほうが100倍価値があります
入念に情報を調べたり、計画を立てたりするのは少し窮屈ではないでしょうか?
行き当たりばったりというと聞こえが悪いですが、とりあえずやってみる!という方が今の時代物事がスムーズに進むこともあります
理由③:正解思考を捨てれば気持ちが楽になる
正解思考に囚われ、世の中にある正解を探そうとあれこれ悩むのは非常にストレスがかかります
価値観や判断基準も複雑化しており、なおかつ情報量も多く、そんな中であるかも分からない正解を導き出そうとするのは困難なことです
しかし、正解思考を捨ててしまえば、そんなストレスからは開放されます
何か未知の問題に直面したときは一呼吸置いて「世の中に正解なんてないんだ!」と考えるようにしましょう
そうすれば、自分で探してみようというマインドに切り替わり、前向きに行動できるはずです
今の時代は多様化しており、価値観やバックグラウンドは人それぞれですので、自分にカスタマイズされた答えを見つけるほうが幸福になれると思います
自分のものさしは自分で決めるという気持ちで、正解思考を捨ててみましょう!
正解思考を捨てるコツ
正解思考を捨てるといっても、
- 失敗が怖い
- リスクを置いたくない
という気持ちが先行して、メンタルブロックになってしまうことも多いでしょう
そういうときは小さく試してみることが良いと思います
いきなりお金や時間をかけて行うのでは、確かにダメだったときの損失が大きくなってしまうかもしれません
ですが、可能な範囲でできるだけ小さく試してみる、それがもし上手く行けばもう少し大きくしてみる、というような具合で
徐々に大きくすればリスクは低減されます
また、チャレンジすることは失敗することもあるかもしれませんが、チャレンジしたことによって自分が成長することは確約されています
失敗や成功だけに目を向けるのではなく、自分の成長に目を向ければ、正解思考を捨てて、いろいろなことにチャレンジすることの意義が変わってくるはずです
そしてチャレンジしたことによる成長を自分の成功体験として自信にできれば、もっと大きなチャレンジができるようになるでしょう
このように正解思考を捨てるために障壁となっている気持ちを取り除いてあげることも大切です
最後に
今回は、正解思考についてや正解思考を捨てるべき理由について紹介しました
まだまだ多くの日本人は正解思考にとらわれていると思います
AIやロボットなどのテクノロジーに人間の仕事が奪われる時代において、正解思考を捨てられる人材の価値が高くなります
この記事を読んでいただいたみなさんは「前例がない」と言って何もできない政治家のようにならないように、正解思考を捨てて、自分で自分の人生を切り開けるようになりましょう!
コメント