AIやロボットなどのテクノロジーで、私たちの仕事が失われるらしいですが、実際どうなのでしょうか?
このような疑問に答えていきます!
- 最新テクノロジー事情をサッと理解できます
- 自分にも起こり得るテクノロジーの発展による失業について理解が深まります
- 失業しないために、新しいスキルを身につけることの重要性を理解できます
私も今回の内容を知ったことで、『リスキリング』に取り組むようになりました!
執筆者情報
ときすけ
- 30代会社員 & 副業ブロガー & 二児の父
- 工場勤務からリスキリングした経験有り
- ゼロからリスキリングを学べる情報を発信
- Microsoft365系アプリ、生成系AIが得意
- 社内のDX人材育成に従事
テクノロジーの発展により失業する未来
AIやロボットなどのテクノロジーの発展によって、私たちの仕事が奪われるということは現実に起き始めています
これまでもテクノロジーの発展によって仕事が失われるということは起きてきました
電話が利用され始めていた1900年頃、電話をかけた人と電話を受ける人の回線を手動で接続する、『電話交換手』という仕事がありました
『電話交換手』は難しい試験を突破しないとなれない、特に女性にとって花形の仕事とされていました
しかし、自動電話交換機が発明された後『電話交換手』の仕事は減少し、1960年頃には姿を消してしまったのです
テクノロジーは生活を豊かにしてくれる反面、私たちの仕事が失われるリスクも有ります
技術革新や労働の自動化により、人間の雇用が失われることを『技術的失業』と言います
現在、テクノロジーはより高度になっています
- ビッグデータを学習し、複雑な条件から予測する人工知能(AI)
- センサーを駆使し、人間のできないことも可能にするロボット
特に事務作業や工場作業などの単純な業務は真っ先に『技術的失業』の対象となるでしょう
また、高度なスキルも安心というわけでは有りません
AIは過去の情報や専門知識を学習し、予測や提案をすることは得意です
- 専門的見地からの提案
- データ分析や予測
- プログラミング
以上のような、高度なスキルが必要とされるものでさえ、AIに肩代わりされつつあります
失業から自分を守るためには『リスキリング』によってテクノロジーを使いこなすスキルを身につけましょう!
『リスキリング』については以下の記事でわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください!
現代は不確実で予測困難
現代は、目まぐるしく変化し、予測困難な時代であり、『VUCA(ブーカ)時代』と呼ばれています
VUCAとは、以下の4つの言葉の頭文字を取った造語です
Volatility:変動性
Uncertainty:不確実性
Complexity:複雑性
Ambiguity:曖昧性
VUCA時代の具体例としては、以下のようなことが挙げられます
- 新型コロナウイルスの流行
- ロシアのウクライナ侵攻
- 英国のEU脱退
- 東日本大震災
VUCA時代では、今までの常識がくつがえる、安心安全と言われていたものがリスクに変わる、ということが日常茶飯事です
特に、以下のような新しいテクノロジーが登場によって、私たちのビジネスや生活の環境は急激に変化しています
- AI
- ロボット
- IoT
- メタバース
- クラウド
- ブロックチェーン
- ビッグデータ
- 5G
この変化に追従し、自分自身も変化させていかないと、VUCA時代を生き抜くことは難しいです
なんだか難しいカタカナ言葉がいっぱい並んでます・・・
一度に覚えるのは無理なので、言葉に触れるたびに理解しようとすれば、そのうちわかってくるはずです!
破壊される既存ビジネス
『ディスラプター』によって既存ビジネスが破壊されつつあります
『ディスラプター』とは、『デジタルテクノロジーを活用し、既存の業界やビジネスモデルを破壊する企業』のことです
『ディスラプター』と呼ばれる企業は、例えば以下のような企業が挙げられます
『ディスラプター』がどのようにビジネスを破壊したのか、2つの例を見ていきたいと思います
ディスラプターによるビジネス破壊1:Amzon
Amazonは小売店のビジネスモデルを破壊しました
昔は買い物する時に店舗まで足を運ぶ選択肢しかありませんでした
しかし、今ではソファに横になりながらスマートフォンでポチッとすれば明日には商品が届きます
Amazonのビジネスモデルのメリットは以下です
- 注文、決済、配送のすべてがネット上で完結、余計な人件費が発生しない
- 顧客の行動を分析し、興味ある商品をレコメンドし、セールスを自動化
- 店舗を構えるのに必要な固定費、在庫を抱えるリスクがない
Amazonのビジネスモデルは合理的で、既存の小売店が太刀打ちできるはずが有りません
Amazonのビジネスモデルは、人々の生活や行動習慣までも変化させた、ディスラプターの代表例と言ってよいでしょう
Amazonのセールになると、ついたくさん買い込んでしまいます
ディスラプターによるビジネス破壊2:Netflix
Netflixはレンタルショップのビジネスを窮地に追いやりました
昔は映画やドラマ見る時にレンタルショップで借りるのが当たり前でした
しかし、Netflixは毎月定額を支払えば膨大なコンテンツが家に居ながら見放題です
レンタルショップが抱えていた、以下のデメリットはありません
- 借りる、返す手間
- 在庫不足
- 延滞料金
これではレンタルショップは勝ち目がなく、今ではレンタルショップはほとんど見かけなくなってしまいました
人気の作品はなかなか借りれずに、レンタルショップによく通ったものでした・・・
『ディスラプター』は短期間で世界を変える
『ディスラプター』は昔から存在していた企業では有りません
スタートアップ企業として登場してから、ほんの数年で世の中を変えてしまうほどに成長するのです
テクノロジーの進歩に伴い、『ディスラプター』は今後も登場し続けるでしょう
私たちが勤めている会社も『ディスラプター』が起こしたビジネス変革で、大打撃を受ける可能性も十分にあります
このようなデジタルテクノロジーによるビジネス変革をDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼びます
知らないでは済まされない生成系AI
ChatGPTを代表する生成系AI(ジェネレーティブAI)は大きな社会現象を起こしました
生成系AIとは、『私たちが普段使う言葉(自然言語)で命令するだけで、テキスト、画像、動画、音楽、コーディングなど、様々なものを生成することができるAIのこと』です
生成系AIで一番有名なのがChatGPTですね
ChatGPTは、2022年11月にOpenAIによってリリースされましたが、リリース直後から爆発的にユーザーを増やしています
生成系AIの特徴は以下の4点です
- 誰でも簡単に扱える(言葉で命令するだけ!)
- ハイクオリティな生成物
- 圧倒的な生成スピード
- 24時間365日働ける
AIですので、人間と違い疲れも知りませんし、どんなに無茶な命令でも文句も言わずにやってくれます
そんな生成系AIが、完璧ではなくてもそこそこのクオリティで大量の仕事を手伝ってくれたら、人間の仕事は無くなっていく一方でしょう
私たちは、AIに仕事を奪われる側になるか、AIを使いこなして仕事をする側になるのか、分岐点に立っています
生成系AIなんて知らない、触ったことない、なんて言っていられる状況では有りませんので、理解を深めるためにもぜひ一度体験してみることをおすすめします
以下は代表的な生成系AIをまとめた表になります
名前 | 会社 | 生成内容 |
---|---|---|
ChatGPT | OpenAI | テキスト、画像 |
Gemini | テキスト | |
Claude | Anthropic | テキスト |
Copilot | Microsoft | テキスト、画像 |
DALL-E 2 | OpenAI | 画像 |
Midjourney | Midjourney | 画像 |
Stable Diffusion | Stability AI | 画像 |
Suno AI | Suno | 音楽 |
SOUNDRAW | SOUNDRAW | 音楽 |
Google AI Text-to-Code | コーディング | |
Github Copilot | Github | コーディング |
私は、テキスト生成は、ChatGPT、Gemini、Claude。画像生成は、Midjourneyをよく使っています
ロボットと共存する時代へ
ロボットはより身近になり、ロボットと共存する時代へと突入しようとしています
今までも製造装置や家電製品など部分的に人間の仕事を肩代わりしてくれるロボットは存在しました
しかし、今はセンサー、IoT、AI、などの発展により、より高度なロボットが身近に見られるようになりました
例えば、以下のようなロボットが挙げられます
- 自動搬送ロボット(レストラン、倉庫)
- ロボット掃除機(ルンバが有名)
- ペットロボット(AIBOが有名)
- コミュニケーションロボット(ペッパーくんが有名)
- 介護ロボット(会話、介護支援)
- 農業用ロボット(種まき、農薬散布、収穫)
- 建設用ロボット(資材運搬)
- 災害救助ロボット(捜索、救助)
- 医療用ロボット(手術支援、リハビリ)
ロボットによって、人手不足の業界を救うことが期待されています
しかし、ロボットの普及が加速すれば、人間よりも費用対効果の高いロボットを導入する企業が増えるのは当然でしょう
そうなれば、ロボットに仕事が奪われてしまうことも十分にあり得ます
これからの時代は、ロボットを理解し、上手く付き合って行くことが求められます
そのためには、ロボットを管理、メンテナンス、教育できるスキルを身につけることが必要となるでしょう
GAFAMがなくなる?!Web3の破壊力
Web3(ウェブスリー)によって、GAFAMのような巨大なプラットフォーマーの地位が脅かされるかもしれません
GAFAMとは、Google・Amazon・Facebook(現Meta)・Apple・Microsoftの企業名の頭文字をとった呼び名で、ガファムと発音します
Web3(ウェブスリー)はインターネットの概念を示す言葉です
初期のインターネットはWeb1.0でしたが、現在はWeb2.0になり、これからはWeb3になろうとしています
『Web1.0』の時代のインターネットは、特定の人や企業が一方的に情報発信し、ユーザーはただそれを閲覧するだけでした
『Web2.0』になると、SNSなどのプラットフォームを介して、ユーザー同士で双方向の情報発信が可能となりました
しかし、『Web2.0』の問題点は、ユーザーの利用情報、データ、コンテンツなどの所有物はGAFAMなどのプラットフォーマーが独占していることです
『Web2.0』のようなインターネットの在り方は中央集権型のインターネットと呼ばれます
それが、『Web3』になると、自立分散型のインターネットとなります
自律分散型のインターネットでは、GAFAMのような中央管理者であるプラットフォーマーが存在しなくても、ブロックチェーンによってユーザーのデータやコンテンツが、ユーザーの所有物として証明されます
Web3では、YouTubeやX(Twitter)がなくても、個人で情報発信ができ、プラットフォーマーに搾取されず、得た利益のほとんどが自分のものとなるイメージです
『Web3』は、近い将来インターネットが登場したときと同じくらいのインパクトを与えるのではないかと言われています
巨大テック企業の『GAFAM』でさえその地位が脅かされる可能性だってあるのです
GAFAMがなくなるかもなんて考えたこともないですね
実際に起きているテクノロジーによる人員削減
テクノロジーの発展が起因となる人員削減は、今日本でも実際に起き始めています
ここでは2つの業界の事例を紹介します
- 金融業界
- 自動車業界
テクノロジー起因の人員削減の例1:金融業界
金融業界ではAIの導入や業務自動化による人員削減が最も進んでいます
銀行や保険会社は顧客情報の入力や書類作成などの提携業務が多く、自動化がされやすい特徴が有ります
また、大量の顧客データを有しているため、AIによる学習が容易です
金融業界は、長引く低金利時代と厳しい規制に直面しているコスト削減が急務です
このような背景により、金融業界は『人員削減』が進んでいます
銀行の人員削減
銀行の与信・融資業務はAIによって劇的に効率が上がります
従来は専門家が数日かけていた審査していましたが、AIはビッグデータを分析し1秒以内で判断します
日本のメガバンクは以下のように人員削減を実施しています
銀行 | 店舗削減 or 自動化 | 人員削減数 | 目標年度 |
---|---|---|---|
みずほフィナンシャルグループ | 500店舗中100店舗削減 | 1万9000人 | 2026年度末 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 516店舗のうち最大100店舗を自動化 | 6000人 | 2023年度末 |
三井住友フィナンシャルグループ | 全店舗の自動化 | 4000人分の業務量 | 2019年度末 |
日本の銀行員の数は2018年には約29.9万人だったのが、2022年には26.4万人にまで減少しています
保険
アメリカを中心に保険外交員が軒並み減少しています
その反面、AIやビッグデータを活用した人手を必要としない保険会社が続々と誕生しています
- 見積もり、提案、支払いなどの自動化
- 健康診断のデータや顔写真から、健康状態や寿命を予測
- 手続きはで全てスマートフォンアプリで完結
以上のように、人件費を抑えた割安な保険の提供が可能となります
アメリカでの保険外交員が減少する流れは、間違いなく日本にもやってくるでしょう
テクノロジー起因の人員削減の例2:自動車業界
国内大手自動車メーカーも人員削減を余儀なくされています
自動車販売台数世界トップのトヨタ自動車の社長(豊田章夫氏)でさえも「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言しています
絶好調のトヨタでさえも人員削減を考える背景には、中高年の働かない層が顕在化していることがあります
言い換えると、現状の年収や地位に甘んじて、時代の変化に適応したり、新しいテクノロジー学習したりを怠っているから不要と判断されてしまっているのです
年齢関係なく、パフォーマンスを発揮していたらリストラはされないはずです
- 自動運転
- EVシフト
- 製造工程の自動化・AI導入
以上のように、自動車業界はテクノロジーによってビジネス環境が大きく変化しています
テクノロジーに追従する意思もなく、ただ居座ることを考えるようでは、解雇される未来が待っているでしょう
トヨタだけでなく日産も約1万2,500人以上の大量削減も視野に入れています
また、三菱自動車も人員削減を中心とした大規模リストラを進める方針を明らかにしています
安泰と思われている自動車業界でさえも、テクノロジーの発展による人員削減の波が押し寄せているのです
いろいろな業界で『技術的失業』が進んでいるんですね
そうです!この事実を自分ごととして受け止め、行動していかないと失業してしまうかもしれません
まとめ
今回は、最新テクノロジー事情と引き起こされる技術的失業について解説してまいりました
テクノロジーの発展はそのスピードを緩めてくれません!
時代の変化と共に私たちも変化していく必要があります
『VUCA時代』を生き抜くためには、誰もが『リスキリング』に取り組む必要があります!