アプレンティスシップ制度とは?メリットや日本での導入事例など

アプレンティスシップ制度とは?メリットや日本での導入事例など
  • アプレンティスシップ制度って聞いたことあるけどよくわからない
  • 応募してみたいけど、どこからできるの?

アプレンティスシップ制度は海外では広まっていますが、日本ではまだまだ浸透しておらず、このような疑問を抱いている人も多いと思います

アプレンティスシップ制度は、収入を得ながらスキル獲得ができ、就職や転職につなげることができる、費用や時間がネック担っている方には強い味方と言える制度です

今回はそんなアプレンティスシップ制度について

  • アプレンティスシップ制度とは何か?
  • メリットとデメリット
  • 導入事例や応募できるサービス

などを紹介します!

執筆者情報

ときすけ

  • 30代会社員 & 副業ブロガー & 二児の父
  • 工場勤務からリスキリングした経験有り
  • ゼロからリスキリングを学べる情報を発信
  • Microsoft365系アプリ、生成系AIが得意
  • 社内のDX人材育成に従事
もくじ

アプレンティスシップ制度とは?

アプレンティスシップ制度とは、

熟練した指導者のもとで見習いとなって働きながら、実践経験を通してスキルや知識を学ぶ制度

です

※アプレンティス(apprentice)は『見習い』という意味

従来であれば、スキルを身に着けてから就職や転職をする、という流れが一般的でした

しかし、アプレンティスシップ制度では働いて賃金を得ながらスキルを習得し、そのまま就職するなど、比較的低リスクでスムーズなキャリア形成が可能です

アプレンティスシップ制度が注目される背景

アプレンティスシップ制度自体は新しいものではなく、古くから存在します

職人に弟子入りして、仕事を手伝いながら技術を継承する伝統的な教育手法がまさにアプレンティスシップ制度です

現在この伝統的なアプレンティスシップ制度が再び注目され始めています

その理由の一つが『リスキリングです

リスキリングでは今までITやデジタルに関わってこなかった人材が、デジタルスキルを獲得し、新しい職業につく必要があります

全くの未経験の方が自分でテキストを読みながらデジタルスキルを習得するのはとても難易度の高いことです

初心者にとってデジタルは、実体がわからずイメージもつきません

実際に何かを動かしているのを目の当たりにしたり、つまずきや疑問が有った時にすぐ聞けたりする環境が必要です

ですので、リスキリングをする際に、実践で学べるアプレンティスシップ制度の環境は非常に有効です

アプレンティスシップ制度の『メリット』

メリット1. 収入得ながら学習できる

多くのアプレンティスシップ制度では給与を得ながら学習ができます

  • 学習するための費用が足りない
  • 学習する時間を確保できない

などの理由でリスキリングを諦めていた方にとっては大きなメリットになります

アプレンティスシップ制度は一般的には収入としては低い場合が多いので、参加することで現職よりも収入が下がることもあるかもしれません

しかし、収入を得ながら学習できますし、何より今後成長する分野のスキルを身につけることができたら、長期的に見たら収入が上がる可能性は十分にありますし、失業するリスクも減ります

メリット2. 即戦力になれる

アプレンティスシップ制度は、実際の企業の職場環境で経験豊富な指導者から学びます

そして学ぶ内容は実践に沿ったものですし、その時企業に必要とされていることです

よって、その環境下でしっかりとスキルや知識を身につけることができれば、履修後は即戦力として活躍できるでしょう

メリット3. 働いた後のギャップが無くなる

通常では就職や転職して実際に働き始めた後に、仕事内容やストレスの度合い、人間関係などが自分に合う、合わないというものがわかります

しかし、アプレンティスシップ制度を利用すれば、実務経験を通じて自分に適しているか、今後もやっていけそうか、ということがある程度分かります

このように思い切った決断をする前に、事前に適性を判断できることもアプレンティスシップ制度のメリットです

メリット4. 人脈を築ける

アプレンティスシップ制度で築いた人脈は、将来の就職や転職で有利に働きます

目的を共有して一緒に働いた仲間にはある種の信頼関係が生まれます

互いに良い関係が築けたのなら、また一緒に働きたいと思うこともあるでしょう

このような組織や業務とは関係ではない非公式な関係(インフォーマルネットワーク)を築いておくと、何かのタイミングで人生の転機が訪れることもあります

アプレンティスシップ制度の『デメリット』

デメリット1. 利用のチャンスが少ない

アプレンティスシップ制度は、海外では比較的浸透していますが、日本ではまだまだ利用事例は多いとは言えません

また企業や団体が主導して運営していることが多く、個人で利用できるプログラムは限定的です

言葉すら聞いたことないという人も多く、認知度も低いため、良い制度ではありますが、利用のチャンスは少ないと言えます

また都市部と地方など地域差もあるケースもあります

デメリット2. マッチングに左右される

アプレンティスシップ制度は、指導者側の理解とスキル、相性などによって成功するか否かが大きく左右されます

まだまだ浸透していない制度ですので、良い指導者を探すのも簡単とは言えません

また、企業や団体が提供するプログラムにもばらつきがあり、自分の求めている学習内容になっているか、体系的な学習が可能かどうかなど、違いがあります

このように制度がまだ未熟であるために、指導者やプログラムのマッチングによって左右されてしまう部分が大きいです

デメリット3. 制度への不安

日本はまだアプレンティスシップ制度が導入されてあまり時間が経っていないため、制度の運用や評価方法が確立されているとは言えません

利用する場合でも将来的にスキルが身につくのか、就職や転職につながるのか、など不安を抱くことも多いです

また身につけたスキルがきちんと評価されて、資格取得につながるのかということも気になると思います

アプレンティスシップ制度のプログラムを選ぶ時はなるべく実績があり、運営母体がしっかりしているところを選ぶようにしましょう

アプレンティスシップ制度の導入事例

このようなアプレンティスシップ制度ですが、実際に導入している企業にはどのようなところがあるのでしょうか?

残念ですが現在は欧米を中心に広がっている制度ですので、日本での事例はまだまだ多くありません

ここでは海外と日本での一部の事例について紹介します

海外の導入事例

下表は海外でのアプレンティスシップ制度を導入している企業の例です

アプレンティスシップ制度を受けるためにはソフトウェア開発の実務経験やプログラミングスキルが必要となる場合があります

スクロールできます
会社プログラム名期間将来のポジション
Accentureアプレンティスシップネットワーク12ヶ月ビジネスアナリスト
Airbnbコネクトソフトウェアエンジニアリングアプレンティスシップ6ヶ月Airbnbのソフトウェアエンジニアリングチームの初級ポジション
Googleテックアプレンティスシッププログラム12または20ヶ月データアナリスト、情報技術スペシャリスト
IBMアプレンティスシッププログラム12ヶ月アプリケーション開発者、システムプログラマー、システム管理者
LinkedInREACH1〜5年サイトリライアビリティエンジニア、バックエンドエンジニア、人工知能エンジニア
Microsoftリープアプレンティスシッププログラム16週間ビジネスプログラムマネージャー、データアナリスト、ソフトウェアエンジニア
Pinterestテックアプレンティスシッププログラム最大1年成長または製品エンジニアリングチーム
参考:7 Companies That Offer Tech Apprenticeship

またアプレンティスシップ制度のサービスを提供するプラットフォームには、

  • Multiverse
  • OpenClassrooms

などがあります

日本の導入事例

Mercari Restart Program(メルカリ)

メルカリには、『Mercari Restart Program』という、育児や介護など、さまざまな理由でキャリアを中断した人を対象としたプログラムがあります

有償のインターンシップで、給与をもらいながらスキルを獲得し、メルカリの正社員に応募できるため、アプレンティスシップ制度と言えるのではないでしょうか?

このプログラムは、正社員として雇用されていない人なら誰でも参加できます

参加者は、1〜3か月の有給インターンシップに参加し、チームの一員としてさまざまなタスクを担当し実務経験の機会が与えられます

インターンシップ終了後、メルカリの正社員の募集に応募することができます

アプレンティスシップ(株式会社ユーブル)

『アプレンティスシップ』は、株式会社ユーブルが運営するエンジニアを目指す人のための見習いプログラムです

企業で働きながら実務を通して技術を学び、エンジニアとして必要なスキルや知識を身につけることができます

プログラムは完全無料であり、最低1500円以上という時給で学びながらお金を稼ぐことができます

また、頑張りが評価されると、実習先のIT企業から正社員オファーを受け取れ、希望が叶えば就職することも可能です

このプログラムでは、以下の内容を学ぶことができます

  • プログラミング言語
  • データベース
  • システム設計
  • ソフトウェア開発
  • プロジェクトマネジメント

Work @ Google 20%(Google)

『Work @ Google 20%』全国の自治体やパートナー企業の従業員がGoogleで3か月間働くことができるプログラムです

このプログラムの目的は、Googleの社員が持つ知識や経験を、パートナー企業や自治体に還元し、日本全体のデジタルトランスフォーメーション促進することです

参加者はGoogleの社員と同じように、Googleのオフィスや設備を利用することができます

Googleの社員と共に働くことで、

  • デジタルスキル
  • ワークスタイル
  • Googleの文化や価値観

などを学ぶことできる、意義深い取り組みです

個人での申込みは行っていませんが、参加企業などについては以下から確認できます

STAIRGE(ステアージ)

『STAIRGE(ステアージ)』は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の分野でのキャリアに転職したい人を支援する新しいプログラムです

STAIRGEはDAS株式会社が運営しており、電通も支援しています

STAIRGEでは現在フランス発のオンライン学習プログラム、OPENCLASSROOMSの学習プログラムを提供しています

受講は原則は無料ですが、英語で受けなければならないというのがネックとなります

コースは以下のようなものが用意されています

  • デジタルトランスフォーメーションリード
  • デジタルマーケター
  • デジタルプロジェクトマネージャー
  • プロダクト開発マネージャー
  • UXデザイナー
  • Webデベロッパー
  • フロントエンドデベロッパー
  • Salesforceデベロッパー

参加者はDAS株式会社による就職支援を受けることができます

こちらのリンクから詳細を確認できますが、現在申込みを受け付けていないようです

最後に

今回は、『アプレンティスシップ制度のメリットや日本での導入事例』などについて紹介しました

現時点ではあまり浸透しておらず利用のチャンスが少ない制度ですが、メリットはかなり大きいですので今後も新しい情報をしっかりとチェックするようにしましょう

また今回紹介したサービスの中で興味があるものがあればぜひとも応募してみてください!

アプレンティスシップ制度については、今後もっと日本にも浸透して利用のチャンスが増えることを願っています

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